国の許可を得ずに営業運送する「白ナンバー」のトラックでアサリを運んだとして、福岡県警は16日、男5人を貨物自動車運送事業法違反(無許可経営)の疑いで逮捕、書類送検したと発表した。県警は5人が3~16年前から「白トラ」を営んでいたとみている。運送を依頼した業者らは「働き方改革で、正規の緑ナンバーは労働時間に制約があるため白トラに頼んだ」などと話しているという。
発表によると、5人のうち福岡県宇美町の運転手の男(58)=罰金刑が確定=は昨年8~10月、共同経営の福岡県篠栗町の男(59)=不起訴(起訴猶予)=と共謀し、山口県下関市から千葉県富津市などの区間で36回にわたり、中国産や韓国産のアサリなどを運送した疑いがある。2人は約2カ月間で約560万円を売り上げ、「働けば働くほど売り上げが増えた」などと供述しているという。
また県警は16日、福岡県筑後市の運送業の男(65)ら3人も同法違反幇助(ほうじょ)の疑いで書類送検した。運転手と卸売業者らをつなぐ仲介役で、昨年8~10月に白トラの運転手の男らにアサリなどの運送を依頼し、無許可経営を助けた疑いがある。8人はいずれも容疑を認めているという。
県警は、運転手の男らが約1千キロに及ぶ区間を約14時間で運送したことを内偵捜査で確認。男らは「(運行管理が必要な)正規の緑ナンバーでは運転の交代要員が必要になり、もうからなくなる」などと供述したという。(鳥尾祐太、西岡矩毅)
■トラック協会「運賃上げなけ…